INTERVIEW 投資先支援

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2022.12.05
株式会社KOMPEITO
代表取締役 渡邉 瞬

第7回 投資先インタビュー (株式会社KOMPEITO)~つくり手とつかい手を豊かにする~

<会社概要>
会社名        :株式会社KOMPEITO
所在地        :東京都品川区西五反田2丁目28番5号 第2オークラビル5階
代表取締役  :渡邉 瞬
事業概要     :“置き型健康社食”サービス「OFFICE DE YASAI(オフィスで野菜)」、オフィスでのプロモーション・サンプリング「OFFICE DE MEDIA(オフィスでメディア)」、ダイナミックプライシング機能搭載!サラダの自販機「SALAD STAND(サラダスタンド)」

Q.貴社の商品・サービスについて教えてください。

A.福利厚生として企業の従業員向けに〝置き型健康社食”サービス「OFFICE DE YASAI(オフィスで野菜)」を運営しています。冷蔵庫を貸し出し、カットサラダ・フルーツ、スムージーや惣菜など、健康的な食事を週に1回から定期配送しています。

 

Q.起業のきっかけは。

A.コンサルティングファームに就職し、地方の工場に訪問する機会が多くありました。工場のコストダウン、プロジェクト推進、在庫管理、サプライチェーンマネジメントといった工程のプロジェクトに入り込んだコンサルを経験しました。
2000年代後半になると、農業関連のメディア露出が増加。これをきっかけに会社で農業向けのコンサルタントチームが結成され、私もメンバーに加わったことが農業との出会いです。そして農業業界の販路の選択肢が少ないことを目の当たりにしたことから、自身の力で今までにない新しい農作物の流通を構築すれば、業界の活性化や変革を起こす取り組みができるのではないかと起業を決意しました。

Q.起業の内容、起業後の動きについて。

A.最初に取り組んだ事業は、生産者とエンドユーザーをダイレクトにつなげるECサイトの構築です。しかし力不足により半年弱で事業を断念しました。次に、農作物の流通は八百屋が基本の〝基〟であり、流通に加えビジネス上の課題が学べるのではないかと思い、八百屋を始めました。そこで、売れ残った野菜を知り合いのオフィスに持ち込んで販売していたのですが、知り合いの経営者さんに「持ち帰りが面倒なので、この場で食べられるようにすればどうだ」とアドバイスをいただきました。まずは、ミニトマトをパックしたものをオフィスに持って行きテストをしたところ、従業員さんからも好評で、「健康的でいいね」と評価してもらったことが、「オフィスで野菜」が生まれたきっかけとなります。

Q.起業の苦労を聞かせてください。

A.元々野菜のプロ集団でもなく始めた会社です。当時は品質管理のマニュアルもなく、ミニトマトや、間引きキュウリ、大根で言えばラディッシュなど、小さな野菜や果物をパックして、各オフィスに自転車で自ら届けていました。メディア露出の影響もあり、サービス開始から1~2カ月で、50社程度と契約。当時は、とにかくお客さんを増やすこのチャンスを逃してはならないと感じ、契約社数を増やしていきました。そんな中、梅雨時期に契約先の冷蔵庫内でキュウリが全て腐ったことがあります。その時期は、問い合わせがあればクレームの連絡という、忘れもしない悲惨な状況でした。

Q.キューピー社との出会いについて。

A.その時に運よく、スタートアップとの新規事業連携を模索していた、キユーピー社の経営企画課長と出会いました。正直に品質管理の問題を相談したところ、「一緒に組む意義がある」と言ってくださり、すぐに現場に同行してもらい品質管理についてダメ出しを受けました。そこから、2カ月かけて品質管理を作りこみ、消毒・温度管理・宅配時の管理などを確立させました。また、出資も決めていただき、今までは少ロットのため相手にされなかった工場との提携の支援もいただきました。

Q.取り扱い商材は。

A.産直野菜を積極的に活用したサラダ、各地域のJAさんと組んだ旬のフルーツやスムージー・ゆで卵・サラダチキン・プロテイン・ピクルスなどです。惣菜はハンバーグ、魚の煮つけなど多様な商材を提供。月々80種類以上の商材を用意し、飽きがないように工夫しています。

Q.現在の販売状況は。

A.サービス開始から累計5,000カ所での導入実績があり、北海道から沖縄まで全国で展開。冷蔵庫が置ける半畳程度のスペースがあればすぐに導入できます。料金体系は、月々の個数に応じた基本料金です。例えば月150個の商材をお届けする場合、企業の負担は月5万円程度です。週に1回以上の間隔で配送し、従業員の方には、1個100円からお召し上がりいただけるサービスとなっています。冷蔵庫の上に貯金箱を設置しており、電子決済も可能です。

Q.企業の導入契機は。

A.従業員への福利厚生の観点で導入する企業が多いです。10~50人規模の企業だと、社員食堂はなかなか設置できないため、月数万円程度で簡易的な社食を作る目的で導入するケースもあります。また、健康経営優良法人認定などの取得時に活用できたという声をいただくほど、健康経営の推進にもつながります。
コロナ禍で出社人数が減る中、社食の運営を撤退して、代わりに「オフィスで野菜」を検討する企業も増えています。外食や外出を控えたいというニーズにも応えることができます。不規則な就業時間に加え、制服を着てコンビニやランチに行きたくないといった理由から病院やクリニックでの導入も多いです。

Q.導入企業からの評価は。

A.「野菜を摂る意識・機会の提供、健康に対する意識向上につながった」などが表れており、導入前後での違いは一目瞭然です。やはり、「健康経営」がキーワードとなっていると感じています。当社サービスは非常にメッセージ性が分かりやすいと総務部の担当者様などから好評です。実際に健康経営の施策として活用してもらったり、採用時の他社との差別化として、企業が”従業員のことを思っている”というメッセージにもつながるという声をいただいています。

Q.サプライチェーンなど、会社の強みについて。

A.サラダやカットフルーツなどのフレッシュな野菜・果物を小ロット・小規模オフィスから届けられるのが強みです。オフィスというチャネルと物流がセットになったサービスの構築は他社にはできないと考えます。今後は北海道から沖縄まで各エリアに製造・配送の拠点を設け、各エリアで生産した野菜などを商品化し、そのエリア内のオフィスに届ける「地産地消」の取り組みで、他社にないオンリーワンのサービスにしたいと思います。

Q.今後のビジョンは。

A.世の中の流れからも、〝健康〟というキーワードは切っても切り離せないと考えています。企業と従業員の方々をより健康にしていくサービスとして、ただ商材を届けるだけではなく、真の〝健康〟を実現できるよう、今後もサービスを強化していきたいと考えています。新サービス・サラダ自動販売機「SALAD STAND(サラダスタンド)」の増設などでも、我々のビジョンである「つくり手とつかい手を豊かにする」ことの実現に取り組んでいきたいです。

Q.広島で取り組みたいことは。

A.製造拠点と配送拠点のパートナーシップ構築が実現できそうです。これにより、地域で採れた野菜や果物を使った商材を、より多くの地場企業に届けられるような体制を作りたいと考えています。サービス普及はもちろんですが、生産者から「うちの野菜や果物を使ってほしい」という声もいただけるとうれしいです。

Q.貴社にとって、VCとは?

A.起業家がビジョンの達成速度を速めるため、そもそも達成するためにデッドファイナンスを実現するには信用力が低いこともあります。そんな時に、大きなガソリンとなるファイナンスを実現してくれる存在です。且つ、起業家が悩んだ時、困難に陥った時、攻めたい時、様々な手段でチカラになってくれる良き伴走者であると思います。

Q.VCに求めることは?

A.良い時も悪い時も、一度信じた起業家を信じ続けて、ビジョン達成のために共走してもらいたいです。

<株式会社KOMPEITO HP>
https://www.officedeyasai.jp

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