INTERVIEW 投資先支援

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2022.09.09
プラチナバイオ株式会社
代表取締役 奥原 啓輔

第5回 投資先インタビュー (プラチナバイオ株式会社)~ゲノム編集とデジタル技術でミライを拓く~

<会社概要>
会社名        :プラチナバイオ株式会社
所在地        :広島県東広島市鏡山3-10-23
代表取締役  :奥原 啓輔
事業概要     :ゲノム編集ツール「プラチナTALEN」を活用した事業

Q.貴社の商品・サービスについて教えてください。

A.弊社は、国産ゲノム編集技術「Platinum TALEN(プラチナタレン)」を活用し産業利用に最適なゲノム編集技術とデジタル技術を融合し生物機能を最大限引き出す「バイオDX」を推進し、バイオ産業の成長に貢献することを目的として設立された広島大学発ベンチャー企業です。ゲノム編集とは、目的とする遺伝子を狙った特性に改変する技術のことです。自然界では長い時間かけて出てくるものを突然変異と呼びます。ゲノムの情報や遺伝子の情報は長い時間をかけ変化し、蓄積することで生物が進化してきます。

例えば「トマト」の場合、長い年月をかけ、“香りが強くなる・色が濃くなる”ものを意図して狙って起こすのがゲノム編集です。ゲノム編集で目的の物質の数量を劇的に上げることで生物の特長を強くしたり、邪魔な要素を除いたりすることも可能になります。例えば、最近では食品メーカー様が取り扱う製品・商品の生物(ゲノム情報)を知りたいという企業様も増えてきております。そのうえで生物の性質を変えたい(品種改良)というニーズがあるときに、当社のゲノム編集技術を活用する流れになります。もちろん即座にゲノム編集をしなくても、まずは自社製品・商品の生物(ゲノム情報)を解析することによって、理解を深めることも大切だと感じております。理解することで、将来的な品種改良を効率的に実現することも可能になると考えます。

ゲノム編集を活用したわかりやすい例としては「アレルギー低減卵」の作出ができております。卵は食事の面以外にも、医療(インフルエンザワクチン)でも利用されており、卵アレルギーを持つ人の課題を解決できる可能性があります。これはゲノム編集だから実現ができたプロダクトでもあります。「アレルギー低減卵」に限らず、ゲノム編集でしか実現できない価値を創造していきたいです。我々はただ、ゲノム編集技術を活用して品種改良を行いたいわけではなく、社会や消費者が何を求めているのかを考え、リスクを上回るベネフィットを訴求できるプロダクトを実現していきたいと考えています。このようなプロダクトをいくつも出すことができれば、ゲノム編集の認知、社会実装に向けた取り組みにもつながると考えております。

Q.貴社の優位性はどこにありますか。

A.ゲノムを編集するツール自体は沢山ありますが、自由な編集ができるツールが多くないのが実態です。一過的にアレルギーの発現を抑えることはできていても、根本的な改変を得意としていないツールや、精緻に編集する事が難しいツールが多いです。また最も有名なゲノム編集ツール「CRISPR-Cas9」は知財紛争が起きており、事業化する際の障壁になっています。その点、我々の強みとしては、ゲノムを改変するときの独自編集ツール「Platinum TALEN(プラチナタレン)」を持っている点、ゲノム編集するターゲット(遺伝子)を見つける技術を持っているので、どのフェーズでもご相談に乗ることが可能です。他社ツールと比較すると弊社の「Platinum TALEN(プラチナタレン)」ができる編集の範囲は広く、規制・知財の面での条件はクリアになっており、産業利用(事業化)しやすい状態となっています。

 

Q.今後の展望を教えてください。

A.ゲノム編集技術を基に新しいプロダクトを開発したいという企業様(生物を取り扱っている)と一緒にどんなプロダクトが消費者、社会に必要とされているかまずは一緒にディスカッションさせていただきたいです。アレルギー低減卵が話題になってはいますが、我々はフードテックに特化している企業ではなく、食品や医薬品の原料、カーボンニュートラル等、さまざまな分野でゲノム編集を通じて生物の機能を理解し、その機能を最大限引き出すための社会実装を実現していきたいと思っております。

例えば、環境エネルギー分野は重要な社会課題で、絶対に取組まなければいけないミッションになると思っています。
電力会社様やガス会社様でCO2を削減したい等のニーズがある時に、CO2を分解する微生物を見つけ、うまくチューニングし課題解決につなげることもできるのではないかと考えております。

Q.貴社にとって、VCとは?

A.ベンチャーのビジョンに共感して「出資」と「成長支援」をサポート頂ける、大事な事業パートナーだと考えています。
実際、広島ベンチャーキャピタル様には、弊社の創業間もない頃から、様々な形でご支援を頂いています。

Q.VCに求めることは?

A.弊社が掲げる、「ゲノム編集とデジタル技術でミライを拓く」というビジョンへの共感と、食・農水・環境・エネルギー・医療など、生物機能を活用する様々な事業ドメインにおいて、“仲間づくり”を一緒に進めていきたいです。

<プラチナバイオHP>
https://www.pt-bio.com/

 

 

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