INTERVIEW 投資先支援

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2020.08.18
株式会社スペース・バイオ・ラボラトリーズ
代表取締役 河原裕美

第3回 投資先インタビュー(株式会社スペース・バイオ・ラボラトリーズ)~21世紀の新しい治療法の確立を目指す~

<会社概要>
会社名: 株式会社スペース・バイオ・ラボラトリーズ
所在地: 広島県広島市南区段原南1-9-14 503号
代表取締役: 河原裕美
事業概要: 重力制御装置Gravite並びにRE-Gaitの開発、販売 等

Q.貴社の商品・サービスについて教えてください。

A.株式会社スペース・バイオ・ラボラトリーズ(以下、SBL)では、これまでに重力制御装置Gravite®(グラビテ)と歩行支援ロボットRE-Gait®(リゲイト)の2つの商品を上市しています。

Graviteは、搭載した試料を回転させて、地上で宇宙ステーションと同じ1/1000Gの微小重力環境と3Gまでの過重力環境を作り出す装置です。NASAケネディー宇宙センターへの2台の導入をはじめ、主に大学や研究機関で導入頂いており、宇宙実験の予備実験など、重力が細胞、植物、ウイルス、細菌などに与える影響を調べる研究に世界中で使われています。これまでGravite®の論文が多く発表される等、世界のスタンダードとなっています。

RE-Gaitは、脳卒中片麻痺患者さんの歩行リハビリを支援する世界最軽量小型のロボットです。私たちが歩く時、つま先を上げたり、足裏で地面を蹴ったりするためには足首の動きが重要です。ところが、麻痺がある患者さんはこの足首の動きが上手くできません。また、リハビリの先生方が、患者さんを歩かせながら手で足首の動きをサポートすることもできません。RE-Gaitは、患者さんの歩行中の足首の動きをサポートして、タブレットで患者個別の歩行プログラムを設定して正常な歩行動作を「再学習する」ことを助けます。医療機関や介護保険施設、自費リハビリ施設に多く導入されています。

Q.貴社の優位性はどこにありますか。

A.広島大学発ベンチャーとして、大学の研究成果に基づくエビデンスを取りながら、臨床現場の課題を解決する商品やサービスを開発できることです。

       

Q.今後の展望を教えてください。

A.脳卒中片麻痺患者さんが完治可能な医療システムの提供を目指しています。残念ながら、既存のリハビリだけでは完治できません。また、再生医療だけでも完治しないことが分かってきました。RE-Gaitの活用によりこれまでできなかった歩行時の足首のリハビリが可能となり、歩けなかった患者さんが歩けるようになる症例が増えています。SBLでは長年、弊社取締役でもある広島大学・弓削教授だけでなく、広島大学・脳神経外科とも共同でGraviteで培養した幹細胞による神経再生の研究を行い、その優位性を示してきました。
Graviteで再生医療に欠かせない幹細胞(移植細胞)の質を向上させ、RE-Gaitなどを使ってリハビリの質も向上させることで、脳卒中片麻痺患者さんが完治できる医療システムを実現したいと思っています。そのために、今後も様々な事業を実施していきたいと考えています。

Q.貴社にとって、VCとは?

A.企業成長のためのパートナーだと思います。今回、初めて資金調達を実施しました。2つの商品を上市したものの、患者さんが完治するシステムを実現するためには資金調達が必要と判断したためです。ご尽力頂いたお陰様で最初の資金調達ができたことに感謝しています。

Q.VCに求めることは何でしょうか。

A.弊社のビジョンや理念を共有して、その実現のために必要な経営や人材面でのご支援を期待しています。一般にバイオサイエンスや医療に関わるビジネスは事業化に時間がかかると言われます。そのため、ビジョンや理念、将来像を共有できないVCとはパートナーにはなれないと思います。

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